インターンシップ情報

南部鉄器循環Designで地域に活力
タヤマスタジオ株式会社
2015/02/18 更新
400年の伝統を誇る地場産業の価値を再発見し、地域に活かす
瀕死の状態の伝統工芸業界。何世代にも渡り積み重ねてきた技法・精神性は一度途絶えると取り返しがつきません。生産品、またその背景にある“循環的価値”を見える化し、発信する事で、地域内での南部鉄器の価値を高め、世界へと挑戦します。

募集要項

■特徴1:文化を守りながら、現代に適用することが必要なMade in IWATE
伝統工芸業界は、昭和50年代をピークに年々市場が縮小し、ここ30年程の間に生産額・従事者数ともに約70%減となっています。
伝統工芸品は、当時衣食住に必要だった道具であり、日常生活の中にあったものです。日本人の精神性によって、長年の間に高度な技術となり、芸術の域まで達しているものが数多くあります。当時は生活に密着していたため、需要が多く、消費者の生活レベルに応じた要求に応えるため、職人が技術を競い、ここまでの発展を遂げました。しかし、大量生産・大量消費の時代の到来によって、安価な輸入品にその役割を奪われ、「商品が売れない」→「儲からない」→「人を雇えない」→「担い手を育てられない」、という負の連鎖を引き起こしてしまいました。
岩手県の伝統工芸である南部鉄器業界も例外ではありません。
衰退の原因は技術が属人的で、職人が権限を持っていた事もあり、時代の変化に対応しきれず、変わる事が出来なかった事だと考えられます。
しかし、日本のちからは、文化の深さにその原点があるような気がします。その文化を担ってきた伝統工芸は将来の世代に継承していくべきものだと考えています。
そのためには、一度棚卸しをし、何が本質的な価値なのか、変えてよい事と変えてはいけないことは何なのかを考え、その中で変わっていく事が未来の伝統を創ると確信しています。
さらに、リーマンショックによってアメリカが主導してきた大量生産・大量消費社会に陰りや東日本大震災によって東京一極集中の脆さが見えてきた今日、持続可能な循環型の社会への転換が要望されるようになってきました。
そんな背景の中、高度で真似が出来ない技術・循環型の産業である日本の伝統工芸品が世界で注目を浴び始めています。
当社では、伝統工芸南部鉄器が抱えている価値の最大化と発信、収益を上げ、地場産業として地域雇用を創出する取り組みを展開していきます。

■特徴2:南部鉄器の価値を棚卸しし、その価値を世の中に発信する
南部鉄器の価値は道具としてだけではありません。他にも多くの価値を持っていますが、残念ながらその価値はほとんど発信されていないのが現状です。
例えば、循環的価値(材料を循環させられる,エコ)、体験的価値(つくる体験、使う体験)、歴史的価値(400年の歴史)、精神的価値(茶の湯の精神、おもてなし)、美的価値(デザイン)、機能的価値(鉄分補給、湯の質改善)、製法的価値など。それらの掛け合わせによって観光コンテンツ(インバウンド)や飲食に応用が可能です。これらの価値を発信し、ヒト、モノをツナグことで新しい価値を創出する事を目指しています。
今回は、“循環的価値”について共に考え、地域に貢献できるようにデザイン(仕組み化)し、運用まで実施します。これが実現すると業界初、さらに国が力を入れている地域創生にもつながる取り組みになります。

■特徴3:大企業では味わえない創業2年目の若手伝統工芸家と業界初を担う仕事
創業1年目は、海外への販路を開拓し、台湾、中国、マレーシアの販路を開拓、輸出。2年目の今年は、循環的価値を皮切りに、価値の発信を行います。課題を見つけ出し、自ら解決する方法を模索し、実施するという企業や社会が求めている能力を、経営者のすぐそばで実践することで共に高めていきます。

▲生産時の様子です。南部鉄器の価値は、生産品の価値だけにとどまりません。川からとってきた砂、土を掘ってとった粘土をもとに型を作り、炭を燃やし焼き固め、そこに溶けた鉄を流し込み作られる南部鉄器。自然の材料が循環しています。

▲南部鉄器には、様々な価値があります。いままでは技術的に優れた商品を作って売ることが主に行われてきましたが、これからは、この価値を最大限活かして情報発信する事が、南部鉄器の次世代への継承に必要です。

▶期待する成果 ■「仕事内容」に記載した循環的価値を発信するモデルを構築すること
■モデルを運用し、より南部鉄器の価値を発信するために改善すること
■業界初かつ社会的インパクトがある取り組みとしてメディアに取り上げられること
▶仕事内容

南部鉄器が持つ循環的価値で地域内に南部鉄器の価値を普及・再認識を促すデザイン(仕組み)と情報発信

■STEP1【開始〜1週間程度】 南部鉄器とはどういうモノかを学ぶ
南部鉄器伝統工芸士会会長である父親の工房にて南部鉄器の製作工程を見学、もしくは体験、聞き取りを通じて生の南部鉄器を学ぶ。

■STEP2【2週目】 新しい価値発信のデザイン(仕組み)を構築し、発信する
実際に循環的価値を発信するためのデザイン(仕組み)を共に考え、モデルを構築し、情報発信をします。現在考えている具体内容は以下。

〜家庭に眠っている古い鉄瓶等のリサイクルを通した震災復興募金のモデル構築〜
東北には古い民家が多く、現在使用していない鉄瓶等を保有している家庭は多いと想定されます。その家庭から鉄瓶等を買い取り、その買い取り代金を震災復興支援、また地元の未来を創造すべく活動しているNPO等に募金する仕組みを構築します。期待される効果としては以下3点。
①南部鉄器が地場の材料(川砂、粘土)と再生可能エネルギー(炭)を使い、さらにリサイクル出来るエコな循環的価値を持っていることを発信→南部鉄器業界にメリット 
②このモデルを通じて、震災復興、地域に貢献する→地域に貢献したいが具体的にどうすれば良いかわからない人、NPO・市民活動を行う人の一助となり、未来の地域にメリット 
③成分価値の高い鉄資源の回収(古い鉄瓶には県内産砂鉄が多く使われ、錆び難い特徴から通常の鉄瓶の3倍の価格で取引されている。現在はほぼ製鉄されてない)→事業所にメリット

情報発信は新聞やテレビ・ラジオ局などへのメディアリリース、SNS、ポータルサイト等検討しています。

■STEP3【3週目〜6週目】
デザインしたモデルの運用・改善
STEP2でデザインしたモデルを実際に運用します。
具体的には、メディアリリースにより提供希望があった家庭を訪問し、使っていない鉄瓶を回収します。その際、その鉄瓶等が家庭にある背景をヒアリングし、SNSでの情報発信、また資料として活用します。
実際に運用することで、改善しなければならない点、課題が多く出てくると思います。
その課題に共に取り組み、ブラッシュアップしていきます。
可能であれば、回収した鉄瓶等を使い、新しい商品を作り、情報発信まで出来たらと考えています。

▶得られる経験 ・普段の生活ではわからない、伝統工芸の奥深さ、職人の技術や思いを南部鉄器の生の現場、仕事風景、内容から体験
・世の中にない価値発信のモデル作りを通じて、既存を活かしながら、新しく「0から1」の仕組みを作る経験
・メディアやWEBを活用した情報発信により、どのように価値を示し、誰に伝えるかを考え、実践する一連の広報を経験
・衰退する業界をどうにかしたい経営者のパートナーとして、考え、行動することでの問題解決型の思考と行動力が身に付く人財になる
▶対象となる人 ・伝統工芸、日本の文化が好きで、業界が抱える価値を世間・世界に発信していくことに興味・関心のある人
・能力に関わらず、積極的に取り組む人
・お互いの考えを聞き入れられる協調性のある人
・地域での生活、仕事、価値観に興味関心のある人
・楽しみながら、真剣に仕事をしたい人
▶事前課題 以下の2つの課題から1つを選択してください。
1.東京都青山にある「伝統工芸青山スクエア」に行き、伝統工芸品を見学。以下2点をレポートにまとめる(形式・分量は自由)
①これは凄いと思ったもの・感動したもの・使いたいと思ったもの(何点でも構いません)
②南部鉄器を購入する方について、売場の方にヒアリング
2.奥山清行著「伝統の逆襲(祥伝社)」を読み、感想文を書く(形式・分量は自由)。
▶期間 2015年2月上旬~3月中旬(1ヶ月〜1.5ヶ月間)
▶活動条件 【勤務頻度】
週5~6日

【勤務時間】
8:30~17:00(※基本はこれですが、実際は日によって様々です。)

【宿泊】
盛岡市周辺での宿泊・滞在が必須
▶活動場所 岩手県盛岡市
▶活動支援金 有り

受入団体紹介

Made in IWATEの南部鉄器でいわてを魅力ある地域に

経済規模1位、2位のアメリカ、中国が日本に絶対に勝てないものがあります。
それは歴史、つまり文化の深みです。
歴史が浅いアメリカ、歴史が細切れになっている中国に比べて日本は長年の間積み重ねた歴史に基づく文化があります。
科学技術が発展し、製造業には革命が起こり始めています。しかしながら、いくら科学技術が発展しても、高度に発達した日本の職人技術をまねる事は難しいはずです。作り手がどんどん機械に取って代わる中、職人の技術こそが今後世界と戦える非常に差別化された強みです。
伝統工芸が後世に残る事は大きな意味をもっています。
例えば、南部鉄瓶で言えば、鉄瓶に“表”と“裏”があるのはご存知でしょうか。
客人と向き合い、お茶を入れる際、右手で鉄瓶を持ったとき、客人に見える面が“表”、自分に見える面が“裏”です。客人に見える面に装飾、文様が強調されている事が多いです。そこからも日本人の”おもてなし”の精神性を垣間みる事が出来ます。
モノが精神性を含めた文化を伝える、そう考えています。
当社では、そんな考えのもと、業界の収益性の改善と地域貢献に主眼をおいています。
世界に誇れる日本を残していく一翼になれたらと考えています。

▲南部鉄瓶は中国にて高級茶を飲むときのお湯を沸かす道具として重宝されています。
「湯の質が良くなる」「軽くて細かいところまで手をかけ技術がすばらしい」と評価されています。
フランス、スイスなどヨーロッパでも、南部鉄器が評価されてきています。

タヤマスタジオ株式会社
▶事業内容:
・南部鉄器の企画・製造・販売
・南部鉄器の輸出業務
・南部鉄器のブランディング、コンサルティング業務
▶設立:2013年11月11日
▶代表者:代表取締役/田山貴紘
▶従業員数:常勤1名/非常勤1名
▶資本金:20万円
▶売上高:800万円

経営者・スタッフ・インターン生からのメッセージ

▶経営者からのメッセージ

課題を洗い出し、優先順位をつけて地道に取り組む事から改善が始まる

「伝統工芸は日本のものづくりの原点である」と経営の神様、松下幸之助は言い、振興に尽力しました。
しかし、私が生まれてから現在に至るまでに伝統工芸産業は売上高にして約1/3となり、従事するヒトも約1/3まで減少しているのが現状です。
伝統工芸は、日本人の精神性、細やかな心が技術として具現化し、ヒトが手と道具を使い自然物を扱う技術としては最高峰まで洗練されたものです。つまりモノと技術が残る事によって日本人の今までの歩みを残す事になります。それが消える事は日本にとっての大きな損失となる出来事です。
経産省の調査によると、産地における振興・活性化の問題の1位は販路開拓、2位は後継者の確保となっています。
職人の高齢化が進み、後継者が不足している現状の大きな原因は、経済的基盤(収益性)の弱さです。さらにその原因は、生活環境の変化によって普段の生活から離れていった伝統工芸が変わる選択をしなかった事だと考えます。
伝統工芸の技術やアイデンティティーを次世代につなげるためには、経済的基盤(収益性)を強くする為の対策が必須です。その為に産地は必要な変化をしなければならないと考えます。最近では各産地でデザイナーなどとのコラボにより新たな視点を含んだ商品開発がなされていますが、継続的な成功の為には職人自らが問題意識を持ち、試行錯誤することが重要だと考えます。
今日、地域の特色が見えづらいように見受けられます。地域を地域足らしめるもの、また日本を日本足らしめるものの一翼を担っているのが伝統工芸です。伝統工芸の興隆は、必ず地域振興につながりますし、他の地域産業にとってもプラスになるはずです。
そのモデルケースになり、全国の職人ともつながり、日本の伝統工芸の発展にも尽力できたらと考えております。

▲調理器具としての南部鉄器をマーケティングするには、料理教室で使い方とその良さを伝える事や飲食店で体験してもらうことが重要だと考えています。学生時代にスペイン料理店でキッチンを任せられていた経験が活きているのかもしれません。さまざまな経験から点が線になり面になる面白さを味わっています。今回のインターンが参加する学生さんの人生の点になれるように一緒に頑張っていけたらと思います。

代表取締役 /  田山貴紘
"1983年岩手県生まれ。父親は現南部鉄器伝統工芸士会会長、祖父はユネスコ無形文化遺産/国の重要無形民俗文化財第一号の早池峰神楽元長老。
埼玉大学大学院卒業後、(株)玄米酵素に入社。松下政経塾で塾頭を勤めた上甲晃氏が主宰する青年塾第13期生として学ぶ。
2011年東日本大震災でのボランティア活動を契機に、地域への貢献を考えるようになり、2012年末(株)玄米酵素退職、田山鐵瓶工房にて父親のもと職人見習い。翌2013年11月、タヤマスタジオ(株)を設立。現在に至る。"

▶スタッフ/インターンのメッセージ

担当スタッフから一言

岩手県を代表する伝統工芸である南部鉄器は素晴らしい製品でありながら、時代に順応できず、衰退の道をたどっています。これは正に地域に素材・資源があるのに活用されず、衰退していく地方が抱える課題と同じです。代表の田山さんは職人の2代目でありながら、南部鉄器業界が抱える課題を解決し、盛り上げていくために株式会社を設立されました。この時点で既に彼は業界の風雲児です。彼はよく、このように語ります。「南部鉄器業界はこの30年間、誰も手を付けてこなかった業界だから、いくらでもやりようがある」と。これからの業界の命運を握る田山さんのもとで伝統工芸という切り口から課題を解決し、地域を盛り上げてみませんか?

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