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2008年9月20日に行われた地域若者チャレンジ大賞でのプレゼンテーションをご覧いただけます。
■わたしのまちを発信したい

「住んでるところは過疎・高齢化が進んでるけど、それでもいいと思う。住んでいて楽しいし、よそから人も来てくれる」こう語った、高知県いの町観光協会の田岡さん。
高知大学の自律協働入門は、一年生限定の「生き方」をテキストにした授業だ。吉村香野さんは、この授業を受講し、県内外で活躍する社会人に出あう。その中でも山や川の自然や土佐和紙のような伝統文化をうまく組み合わせ、外に向って発信している田岡さんの生き方、仕事ぶりに感動した。
「こんな人がおるがや〜! 私も大好きな高知を発信するような仕事がしたい」
夏休みに何かしたいと思っていたところ、高知県嶺北地方を舞台とした「いなかインターンシップ」に出あった。参加の相談をしたとき、いくつかあるプロジェクトから、犬小屋の本づくりというプロジェクトが目に留まった。
「高知のおもしろいものを、全国に発信できる!」。
■「ありえない〜!」だらけの嶺北

高知市内から原付で2時間半。着いたところは、里山の畑にあるビニールハウス。中をのぞくと木材がたくさん並び、十人近くの大工さんが木の小屋を作っている。ここは犬小屋製作工房K。オーダーメイドの犬小屋をインターネットで注文を受け全国に売っている工房だ。Uターンでふるさとに帰ってきた川村さんが、「来年は戌年やから」と思い立って作りはじめた犬小屋が大ヒットした。
吉村さんが参加したインターンシップのミッションは、犬小屋の作り方の本を企画・制作し、犬小屋製作工房Kの高品質な犬小屋を発信することだ。「?犬小屋 作り方?と検索し、うちのHPに来る人がかなり多い。現在犬小屋を注文している人たち以外に、もっと購買層が広げられないか」という工房K代表の川村さんの想いから、このプロジェクトがスタートした。
■つながるアイデア

本づくりに向けて、まずは実際に犬小屋づくりを細かく取材した。工房Kの大工さんの側でスタンダードな中型犬の犬小屋の作り方をメモに落とした。はじめてのことだらけだったが、1つ作ると、犬小屋の構造や仕掛け、専門用語が分かり、川村さんや大工さんとの共通語が増えていった。一つ一つの工程をイラストと説明文で記録した。A5サイズの記録帳は100ページ近くになった。
「ただの犬小屋と思っていたら、犬が快適に過ごせるような仕掛けがある。木は嶺北産の良質な木材だけ。アイデアがあれば、こんないなかでもおもしろい仕事ができるんだ、と驚きました。でも発想だけに頼るんじゃなく、クレーム0・在庫0という仕事へのこだわりが、いなか発のビジネスを支えているんです」。気づきは、犬小屋の作り方からビジネスの秘訣へと広がっていった。
夏休みが終わると、授業やサークルと並行し本づくりを続けた。春休みにもう一度インターンシップとして本づくりに関わるため、CBI企画立案も受講した。本の企画・編集の過程では、大学で編集を学ぶ学生たちとの共同作業がはじまった。本のタイトルは100本以上考えた。デザイナーとのやりとりの中で、冊子ではない、作業のしやすさを考慮したデザインにもこだわった。犬小屋の作り方を解説するだけではなく、「川村さんや大工さんの想い、嶺北の魅力を伝えたい」と、”おまけ本”制作を提
案した。たくさんの人のアイデアをつなぎ、形にしていく作業 だった。
できあがった本は、『愛犬へ─木造犬小屋の作り方』と題し、七工程の作り方とおまけ本を化粧箱に入れた。「次はこれを売ることで、高知を、いなかのビジネスを全国に発信したい」。吉村さんの挑戦はまだまだつづく。



